福岡へ引っ越し

 そして2024年4月に福岡へ。

「息子も“いいよ”と言ってくれたので、中学生になるタイミングで一緒に引っ越しました。これまで、どんなときでも心配して助けてくれ、いろいろなことを教えてくれた姉なので、私がしてあげられることがあるのが少しうれしくも思えました」(みちこさん)

 “感謝という言葉ではとても足りない”と、みちこさんへの気持ちを語るまさこさん。引っ越しが決まり、「一緒に楽しいことをいっぱいしよう」と2人で話したという。

「以前から、“畑をやりたいから一緒にしない?”とか、いろいろ誘ってくる姉だったんです。いつかはそばに行きたいという思いがもともとあったので、“また一緒に何かできるね”って」(みちこさん)

 フットワークの軽さは姉妹共通、その心の軽やかさがとてもまぶしい。

 そして、次第にまさこさんの中で、前を向こうという気持ちが芽生えてくる。

「泣くことに飽きたというか、泣いている時間がもったいないと思うようになったんです。“どう生きたらいい?”ではなく、“私はこう生きたい”と考えるようにしようと」

 また、車椅子生活の先輩に「みんな、本当に優しいよ。困ったら、まず頼ってみたらいい」と言ってもらったことも大きかった。お世話をすることが当たり前だったので、逆の立場になることに打ちひしがれていたが、“頼っていい”と思えるようになったのだ。実際、“手伝わせてよ”“頼ってくれてうれしい”と、思ってもみなかったほどたくさんの人々が言ってくれた。その先に、レシピ本という構想が生まれてくる。