第二は、介護休業・休暇を使って親の介護に専念すること。
家族による介護虐待につながる
「『介護休業・休暇=子どもが仕事を休んで親の面倒を直接見ること』と勘違いしている人は多いと思います。介護休業・休暇はあくまでも家族が介護の態勢をつくるためのものであって、直接介護に使うものではありません。
介護の平均期間が4年7か月なのに対し、介護休業・休暇の法定期間は93日間と、明らかに合わない。親の介護に専念して倒れてしまうケースは少なくないです。そうした状況を未然に防ぐため、介護休業・休暇をとって専門家と相談するなど有効に使いましょう」
第三は、介護を理由とした転職、離職。
「親を介護するために、転職する、正社員からパートになる、果ては会社を辞めてしまう人もいます。これらはすべて注意したい選択です。自分のキャリアを親の介護のために調整すると、その禍根が親に向かいます。介護の悩みを数多く聞いてきた経験上、そうなるのはほぼ間違いない。家族による介護虐待につながってしまうわけです」
川内さんは介護の望ましいあり方として、「家族だからこそ距離をとるべき」とアドバイスする。
「親のそばにいることが、必ずしも『いい介護』にならないことはもうおわかりだと思います。距離をとれば親子の衝突は避けられ、不安や心配を感じなくてすむ。自分の気持ちに余裕が生まれ、親にも優しくできる。お互いにとってプラスとなるのです。
介護サービスなどのサポートをうまく使えば、同居しなくても、遠距離であっても、介護は十分可能です。また仕事とも両立できますし、プライベートな時間も確保できます。親の人生と子の人生は別物。親の介護を優先するのではなく、自分の生き方、人生を大事にしてほしいですね」
やりがちだけど避けたい行動
1 介護のために親と同居や転居
2 介護休業・休暇を使って介護
3 介護転職や離職
取材・文/百瀬康司
川内潤さん NPO法人「となりのかいご」代表理事。社会福祉士、介護支援専門員、介護福祉士。老人ホーム紹介事業、外資系コンサル会社、在宅・介護職員を経て、2008年に市民団体「となりのかいご」設立。2014年にNPO法人化し、代表理事に就任。

















