ここまで紅茶の魅力を伝えてきたが、重要なのはその飲み方。

「食事の前に飲む、“ティーファースト”がおすすめです」

 と山岸先生。紅茶は食後の飲み物というイメージが強く、それも作用がないわけではない。

ティーファーストで糖質の吸収を緩やかに

 ただし、紅茶ポリフェノールのパワーを十分に引き出すには、「食事の前に飲む」または「食事中に飲む」=ティーファーストを新しい習慣にすることを推している。

「食事から摂取する糖質は、α―アミラーゼやα―グルコシダーゼといった糖質消化酵素で分解されてから体内に吸収されます。この糖質分解は食べ物を口に入れた瞬間からスタートします。

 そこで、ティーファーストがおすすめになるのです。紅茶ポリフェノールは糖質消化酵素の働きを低下させる作用があるので、糖質より先に摂取することで、糖質がゆっくり消化・吸収されていく。これは脂質も同じ。結果、食後の急激な血糖値上昇(血糖値スパイク)やAGEsの形成を緩やかにしてくれる可能性があります」

 では、食事自体や、紅茶とセットで食べるデザートは何も変えなくてもいいのだろうか。

「もちろん、糖質のとりすぎはNGです。ただ、揚げ物や甘いものを食べたいときは誰にでもあります。紅茶と組み合わせて食事をするティーファーストを習慣にすれば、そうしたときでも糖質の吸収を緩やかにしてくれます。紅茶が強い味方になってくれるので、我慢して糖質を避けなくてもよいかもしれません」

 紅茶はストレートで飲むのがベスト。ミルクや砂糖は入れないほうがいい。また、ティーファーストなら何杯飲んでもいいわけではなく、1日3~4杯を目安にしよう。

「健康は一朝一夕では手に入りません。ティーファーストも継続することが何より大切です。紅茶は、手軽に手に入れることができるおすすめ飲料です。うまく利用して、時には糖質のご褒美を味わう生活を送りながら、楽しく健康な日々を過ごしてほしいですね」

紅茶に含まれる機能性成分

イラストはイメージです
イラストはイメージです

紅茶ポリフェノール

紅茶の色や風味を生む植物由来のポリフェノール。紅茶の製造過程でカテキンから変化するテアフラビン、テアルビジンが代表的な成分。健康・美容に関する幅広い作用を持つ。

テアニン

アミノ酸の一種で、うまみをもたらす成分。脳のアルファ波を増やし、ストレスを和らげたり、心身をリラックスさせたりする可能性がある。

カフェイン

コーヒーでおなじみだが、紅茶にも含まれている。睡眠不足時などに集中力を高めてくれる。含有量はコーヒーの半分あまり。