目次
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ー 健康と老化防止には筋肉が欠かせない
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ー 全身の筋肉の約7割が下半身に集まる
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ー 体力に自信がなくても大丈夫 中高年向けトレーニング
Page 4
ー 最新の情報をアップデート!筋トレQ&A PART1
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ー 最新の情報をアップデート!筋トレQ&A PART2

 

「中年以降の筋力低下は大きな問題です。日常の忙しさで運動機会が少ないことに加え、体力の衰えで疲れやすく、また、すぐには筋トレ効果も出ないことからやる気が続かないのです」

健康と老化防止には筋肉が欠かせない

 と話すのは、各種アスリートへのトレーニング指導やトレーナーの育成を行う、坂詰真二さん。

「筋トレをすることで、日常の動作がラクになり、血流が良くなって慢性的な疲れが和らぎます。筋力を低下させないことは、人生の後半をアクティブに楽しむために必須です」(坂詰さん、以下同)

 しかし、坂詰さんが提唱する筋トレ(次ページ参照)は、ハードなトレーニングではなく、特別な運動能力も必要としない“ゆるさ”が特徴だ。

「シンプルな反復で難易度が低く、自宅でできるものばかりです。運動が苦手な人、運動経験が少ない人ほど、効果が出やすい傾向があり、シニア世代でも無理なく続けることができます」 

 筋肉を鍛えるのは、引き締まった理想のスタイルを手に入れるためだけではない。

「筋肉量のピークは20代。その後は1年で0・5~1%ずつ減っていき、40代になると筋肉量は20代の90%まで落ちます。基礎代謝が低下することで脂肪が蓄積し、中年太りや生活習慣病のリスクが高まっていきます。60代になると、筋肉量は20代の70%までダウン。

 このように筋肉が減れば関節や骨に負担がかかり、歩行に支障が生まれ、要支援や要介護リスクが高まる“ロコモティブ・シンドローム”に陥るおそれも出てきます。手遅れになる前に、筋トレ習慣をつけておくのが得策。50代はそのカギを握ります」

 冷えの予防や免疫機能のアップ、メンタルの安定も期待でき、さらには脳の血流促進のため、認知機能向上にも役立つという。特に、夏場は積極的にやってほしいと坂詰さん。

「基礎代謝が向上するとともに体温調節機能が改善されて、暑さに耐えやすい身体に。また、筋肉は水分を多く含むので、筋肉量が増えると水分保持能力が上がり、脱水のリスクが減ります」