治療のギモンQ&A

 手術は絶対必要なの? 整体院での施術でよくなる? 治療の悩みをズバッと回答!

《まずチェック! 治療の基本》
〇保存療法
痛みを和らげ、悪化させないことが目的。狭窄状態の改善ではないので、再び痛みが出ることも。薬物療法、温熱・運動・牽引などの理学療法など

〇低侵襲治療
局所麻酔薬を神経やその付近に注射し、痛みが伝わる経路を遮断する「ブロック注射」がメイン。痛みを取りたい場合の一時的措置として行われるが、3割程度は完治

〇手術
​脊椎(背骨)をつないでいる椎間関節に切り込みを入れ、人工骨などを入れて脊柱管を広げる手術法を取り入れる病院が多い。椎間関節まわりの筋肉を傷つけることも

Q1.薬で治ることもありますか?
A1.「ごく軽症の場合は、治ることもあります」

「薬物療法では基本的に血流をよくする薬、しびれや痛みを抑える薬の2つを使います。ごくごく軽症であれば痛みなどがおさまっていくことがあります。でも薬でよくなる人は本当に少ないので、過度の期待はしないほうがよいでしょう。また、薬はあくまで緩和治療。1度おさまっても再発の可能性があることは忘れてはいけません

Q2.整体、整骨院の施術は効果がありますか?
A2.「一時的な痛みの緩和には効果的。でも、治りません」

「一般的な腰痛や肩こりであれば、整体や整骨院、鍼灸などの東洋医学が効果を発揮することがあります。痛くてしかたがないとき、病院へ行くまでの一時的処置として通院するのはよいでしょう。でも、狭くなった脊柱管を広げることはできないので、根本的に治すことはできません。脊柱管狭窄症の疑いがあった場合、よい治療院であれば、脊椎専門医への受診をすすめてくれるはずです」

Q3.どんなときに手術が必要ですか?
A3.「保存療法を3か月続けても改善されないと……」

「患者さんにもよりますが、保存療法を3か月続けても改善されない場合やしびれや痛みがひどく、麻痺や歩行障害などが顕著な場合は手術が検討されます。脊髄が圧迫されているときは、早急に手術が必要です」。だが、術後に“首が前に曲がった”“別の場所が痛くなった”という人も。「事前に手術内容を把握する、術後のアフターケアをきちんと行ってくれるかどうかを確認することが手術後の満足度につながります」

《“隠れ”脊柱管狭窄症チェックシート》
□襟元、袖口のボタンが留めづらい
□手でグー、パーの動きをしづらい
□お札が数えづらい
□豆など、小さいものが箸でつまみづらい
□ペットボトルが開けづらい
□思ったほど字が上手に書けない
□排尿の勢いが弱くなったような気がする

※1つでも当てはまったら、脊柱管狭窄症を疑って。「上記の症状がなくても、親族に脊柱管狭窄症の人がいる場合は、リスクが高まるので要注意です」(白石先生)