「おかゆ事件」で得た気づき

クリコ 私の主人の場合は、食欲はあっても食べられるものが少なくて。ある日、いつものようにおかゆを作って出すと“おかゆの水分を減らしてほしい”と言うんです。当時は、私も全然余裕がなくて“毎日同じ分量で作っているのにどうしてそんなワガママを言うの!?”と腹が立ったのですが、実は水分と固形物が混ざったおかゆのようなものは食べるのが難しいんですよね。

 傷が治るにつれて口の中の状態も変わっていくことも当時はわからなくて、かわいそうなことをしました。その「おかゆ事件」もあって、見た目が華やかで、味もおいしく、栄養がとれて、小分けして冷凍もできる野菜や果物のピューレを使った料理を考案したんです。

綾菜 先生のお料理は、いろんな野菜のピューレを使われていて、色も鮮やかでおいしそうでした。いわゆる“介護食”という感じがしないのがいいです。

クリコ 繊維の多い野菜は、いくらゆでてもやわらかくならなくて、ピューレ状にすることを思いついたんです。これを野菜料理のベースにして、ほかの食材をまぜるといろんな料理に。介護食のフルコースもできますよ。

綾菜 やっぱり喜んで食べてくれる人がいるから頑張れるんですよね。先生がご主人のためにやってきたことが、今は多くの人に役立っているというのは、本当に素晴らしいことだと思います。

クリコ ありがとうございます。私はテレビで加トちゃんを見て育った世代。綾菜さんのサポートで、これからもずっとお元気で多くの人に笑いを届けてほしいです!

※次回は安藤なつさん(メイプル超合金)との介護対談をお届けします。

【最近の加トちゃん家】

 昨年の年末に加トちゃんの手形が浅草(オレンジ通り)に設置されました。仕事帰りに手形を見に行って、加トちゃんの手に自分の手を重ねて写真を何枚も撮って帰りました。周りの方は「あの人加藤茶の大ファンなんだ」と思ったかも。そうなんです。私は世界一のファンです(笑)。

浅草に新しく設置された加トちゃんの手形
【写真】浅草に新しく設置された加トちゃんの手形

かとう・あやな●1988年4月12日生まれ。2011年に加藤茶と結婚し、45歳の年の差婚で注目を集めた。夫を支えるため介護を勉強。「介護職員初任者研修」(旧ホームヘルパー2級)、「介護福祉士実務者研修」(旧ホームヘルパー1級)を取得。TWIN PLANET所属。

今回対談いただいたのは……クリコ(保森千枝)さん
料理研究家・介護食アドバイザー。2012年にご主人にがんが見つかり介護食の研究を始める。介護経験を生かし、「簡単においしく」「好みの味つけ」「家族と同じ献立」「美しい盛りつけ」をモットーとした介護食作りを提案している。

《取材・文/中村裕美(羊カンパニー)》