介護に必要な「モノ」や「時間」を手に入れる

 介護生活が始まると、デイサービスや介護ヘルパーの利用料といった介護サービス費にばかり目がいくが、これは介護保険である程度抑えられる。

〈裏ワザ2〉「自治体独自サービス」でおむつ代などを安く!

 実はばかにならないのがそれ以外の費用。日常生活で使うガーゼやおむつなどの介護用品代、食事を作ってもらうときの食材費、遠方介護の場合の交通費などは全額自己負担となるからだ。少しでも抑えるには、自治体が独自に実施している「地域支援事業」の利用は欠かせない。

自治体の独自施策でお得に利用できるサービスは少なくない(イラストはイメージです)
自治体の独自施策でお得に利用できるサービスは少なくない(イラストはイメージです)
【写真】親の介護は「申請するだけ」「書類出すだけ」で金銭的負担が軽くなる

「さまざまな自治体が国の介護サービスとは別に独自の支援をしていますが、現物支給や購入費助成などで紙おむつの給付を行っているところは多い。毎日使うものですから、これは大きいです」

 担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、徹底的に利用すれば、お安く&少しでもラクな介護生活になること間違いなし!

〈裏ワザ3〉主婦のパートでも「介護休業」を使い倒すべし!

 親の介護生活に突入すると、迷惑をかけるから仕事を辞めなきゃ……と考える人は多いが、太田さんは反対する。

「子どもの収入がゼロになるのは大きな損失ですし、実は辞めたほうが介護の負担が増すことがデータでも出ています。それに、今は介護を理由に仕事を休むことは法律で認められています」

介護休業は主婦のパートでも申請できる(写真はイメージです)
介護休業は主婦のパートでも申請できる(写真はイメージです)

 使える制度は2つあり、「介護休業」は介護対象者1人につき通算93日までの休みがとれる。これは原則、2週間前に書面などで勤務先に申請すればOKで、連続でとることも、3回まで分けて使うことも可能。

 また、もうひとつの「介護休暇」は介護対象者1人につき年5日、2人以上なら10日休める。

「どちらも雇用契約の内容によって、パートやアルバイトでも権利があります。パートだから無理とあきらめないで!」

 会社によっては手厚い補助があったりと、思わぬ得をすることがあるかも。まずは相談してみるべし。